福原一笛(篠笛能管奏者)

第22回 福原一笛(篠笛能管奏者)

福井県坂井市在住
篠笛・能管を長唄囃子方 福原流 家元 人間国宝 故 寶山左衛門に師事。
東京藝術大学 音楽学部 邦楽囃子 別科 修了。
平成8年、福原一笛の名を許される。
平成17年、石川県音楽文化振興財団主催「北陸邦楽コンクール」にて最優秀賞受賞。
横笛教室「一笛会」とフルート教室「アカデミア・ミュージックGym」主宰。
福井新聞社「文化センター」・八尾市「生涯学習センター」・立教大学 「合唱団アヒル会」横笛講師を勤め、平成29年には東京にも事務所を構え、東京・大阪・津山・福井・九州に教室を持ち、後進の指導にあたる。
ヤマハ・ポピュラー・ミュージック・スクールのフルート講師暦20年。
東京藝術大学をはじめとした、国内の有名音楽大学に生徒を輩出している。
これまでに、平成5年フェニックスプラザ小ホール(福井市)から平成29年の東京日本橋劇場まで、計12回の「横笛リサイタル」・4回の「フルート・リサイタル」を開催。
8枚のCDアルバム、6冊の篠笛楽譜集「籟初の巻」を出版。
NHK教育テレビとNHK・BSテレビ放送番組「フォー・ユー」など、テレビ・ラジオ・新聞など、マスコミ関係に多数出演。
横笛の「邦声堂」主催《青梅市御嶽山・横笛夏季合宿講座》に講師として参加し、県内外で「邦声堂」との共催で、日帰りや宿泊形式による横笛講座を開催した。
ヨーロッパや東南アジアなど国内外での演奏活動も行っている。
また、笛やその他の音楽の作曲も手がけている。

1) 音楽家になられたきっかけ
幼少より音楽が好きで、小学低学年より自宅近所のピアノ教室に通い、中学生時代はブラスバンドでフルートを担当し、中学卒業後は地元の音高~短大に通ってフルートを専攻しておりました。
短大卒業後は、フルート演奏活動を開始し、併せて音楽教室も開設してフルートとピアノの講師活動も行なっております。

現在までに、ピアノとフルートの生徒を音楽高校や音大などに輩出し、とりわけ専門のフルートでは、東京藝術大学フルート専攻へも進学させたり、国内の音楽コンクールにおいて歴史のある「全日本学生音楽コンクール」や「琵琶湖フルートコンクール」などで、数多く最優秀賞や優秀賞などに入賞させております。

次に、横笛に関しまして、ある時の演奏会でメンバーの一人が「祖父が吹いていた祭囃子の笛だ。」と言って持って来たのですが、持って来た本人も曲らしい曲も演奏出来ず、苦し紛れに無手勝流で笛を吹いたのですが、意に反してお客様から「もっと聞きたい」という要望が出たのですが、誰もそれ以上の期待に応えるメンバーがおりませんでした。

それを見て、「自分自身が日本人であるのに、フルートは吹けても日本の笛が吹けないのは不本意。」ということを痛感し、早速東京の旧知の洋楽器店を訪ね、「和笛の先生を何方か紹介して欲しい。」と依頼したところ、紹介先の先生は古典長唄の先生ではなかったことから、改めて古典・長唄囃子方の師匠をご紹介していただけることになりました。
その師匠が終生の師となる高名な長唄・囃子方(ハヤシカタ)福原流家元で故・寶山左衛門(タカラ サンザエモン) 師だったのです。
後に、人間国宝に認定されました。

緊張しながらも身のほどもわきまえず電話をかけさせて頂いたところ、電話口の寶師匠は、気さくに「今度、金沢に演奏に行くから遊びにいらっしゃい。」と声を掛けてくださいました。
そこで、金沢に演奏にお見えになられたとき、本番直前にも関わらず楽屋に押し掛けた際、拙い演奏を快く聴いて下さいました。
寶師匠は、その場で「毎回北陸までは行けないないけど、東京に来れるなら一緒に吹きましょう。」と言ってくださいました。
当時、まだ息子も小さかったので、東京に電車で向かう日は主人に子守をしてもらい通っておりました。

寶師匠は、元々伝統音楽や民族音楽にありがちな伝承形式が「口伝」でしかなかった伝授形式を、先代の家元と色々試行錯誤を重ね、現在誰でもが判読でき、お稽古や練習に広く活用できる「記譜法」を考案されました。
併せて、明治より音楽教育に西洋音楽が採用され普及してきたことから、記譜法と併せて、家元が西洋音楽の音階の楽器とも合奏が出来るように笛の改良を施され、今ではその改良した「唄用」の笛で演奏やお稽古などに使用しております。
私は、フルートの演奏も指導も笛と併せて行なっていることから、入門の方で「ドレミ」の音律や音階に強く固執や執着される方には、フルートを吹かれることをお薦めしております。

子育てが一段落した50歳を前にして、以前から念願でもありました師匠が長年教鞭を執っておりました東京藝術大学の邦楽囃子別科に通うことを決意し、毎週深夜福井・東京往復の夜行バスでの通学をしました。
残念ながら、入学を前にして師匠は故人となられてしまいましたが、折りしも偶然に、私のフルートの生徒と同時に入学が決まり、師弟で専攻は違うものの大学の同級生という形で通学することになりましたが、初めて授業料の納入に向かった銀行窓口の女性から「お嬢様のご入学ですか、おめでとうございます。」と言われたことがつい昨日のことのようです。

東京藝術大学の入学が切っ掛けで、新たに色んな出来事や出会いが出来、入学以前から師匠に勧められました篠笛楽譜の出版と、併せてCDアルバムの制作と平行してYouTubeなどにもアップして、演奏活動と情宣活動を行なっていたことから、多くの視聴者や購入者の方々からの問い合わせや要請をいただき、遅咲きながら都内での演奏や講師活動に繋げることが出来、昨年より本格的に都内赤羽を拠点に活動を開始することが出来ました。

2)これからの希望
フルートにおいてでも幼児から小学・中学・高校生とレッスンさせていただいておりますように、横笛においても将来のある多くの子供達に伝承し魅力を伝え育成して行くことに努めたいと思っております。
先人より受け継いできた古典長唄の源流に、福原流家元で師匠の、故・寶山左衛門師匠が築いて来られた本流の流れを、僅かでも次世代に継承し育成していくことが責務であり使命だと考えております。
寶師匠が苦心の上改良を施された「唄用」の笛で、あらゆるジャンルの音楽に挑戦し表現の可能性への追求と、古典は敷居が高いとか馴染み難いと言われて久しいですが、古典への水先案内人か露払いとして、現代を生きる方々の気風に合わせ、古典曲一本遣りではなく柔軟に五線譜の音楽をふんだんに採り入れた楽譜やCDの出版とお稽古や演奏にも採用し、併せて Youtube 動画サイトでもご披露させていただき、出来る限り多くの方々に馴れ親しんで貰え興味関心を持っていただけるよう邁進し、興味関心から手に取ってみたいと思って頂けるような活動を続け、そこから古典に馴染んでいただき導いていけることを念頭に、生涯の使命天命として活動を続けていきたいと思っております。
特に楽譜集は、20作を目標に編纂して参りたいと考えており、現在7集目を平成30年内の上梓に向けて執筆中です。
また、欲張るようですが寶山左衛門先生は、沢山の曲も創作されており、私も同じように笛の曲の創作にも励みたいと思います。

3)音楽家になりたい人へのメッセージ
すべて邦楽の基本は、「お稽古」で学ぶ「型」だと思います。
私は、寶師匠からと自身と併せての「お稽古」や「演奏」から、人生や人間というものを学ばせていただきました。
以前、三味線を習いたいと相談したとき、師匠は「どうせ習うんなら、一流に習いなさい。」と言われたことがありました。
また、同じように「三年も無駄な練習を重ねるくらいなら、三年かけてでも一流の先生を探すことが大事。」ということも聞かされたことがありました。
 我が家では、『徒に師となることなかれ、徒に師を選ぶことなかれ。』というのを家訓にしております。
現在の風潮(傾向)として、意図的にテクニックに走ったりパフォーマンスに走ったりするような演奏スタイルが結構見受けられますが、ある本に、現代の風潮を見かねたような「テクニックで感激はしても感動はしない。」という戒めのような言葉が書かれていたのを記憶しておりますが、演奏者の本分として感激以上の感動をして貰えるような演奏に心がけていけたらと考えます。
時に、YouTubeから学ぶという方もいらっしゃいますが、ぜひ、お稽古で伝統の「型」を勉強して欲しいと思います。
寶師匠を尊敬し、師匠の笛の音に似てると言われるとき、真実嬉しい心地になります。
 そんな師匠に出会えることを願っております。

 

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