2005年より活動を始める。表情豊かな音色と圧倒的な表現力、研ぎ澄まされた肉体が魅力の実力派和太鼓パフォーマー。花原京正、古里祐一郎、高木啓輔、篠原伍慧の和太鼓奏者4名から成る。例年開催する台湾単独公演、ヨーロッパ5カ国ツアー、フランス、ベルギー、ベトナムなどの海外公演や、アヴリル・ラヴィーンのジャパンツアー、嵐、坂本冬美のコンサートサポートなど国内外での公演多数。また、ライブ演出、演奏指導といった多方面で活動中。和の心を大切に、時代の先端を模索し表現する「伝統」と「革新」のパフォーマンスは唯一無二の存在感を放つ。
2024年7月2日渋谷クロスFM『音楽マンションプレゼンツ Life with Music』出演映像アーカイブ
<なぜ、音楽を始めたか?>
無限は、花原京正、古里祐一郎、高木啓輔、篠原伍慧、四人からなる和太鼓ユニットです。
今回は、三人をインタビューさせていただきました。
*花原京正
滋賀県彦根市出身。中学三年生の頃に、地元で和太鼓の公演があると情報を得た母親から話しを聞きました。「日本の伝統のものだから、一度は見に行った方がいい」と母に勧められ、初めて和太鼓の公演を観に行きました。
僕の中での和太鼓のイメージはどこか土臭く、年上の方がやられているイメージでしたが、実際に見て和太鼓のイメージが一変しました。
とてもスポーティーで想像以上にかっこよく、振動が身体に響き渡るのを体感し感動しました。
すぐにやってみたいと思っていたら、公演を届けてくれた和太鼓グループが数カ月間のワークショップを開催してくれる事に。それも一年後の公演の時に、一緒に舞台に立とうという内容でした。
これを機にそのワークショップに参加されたメンバー中から有志のメンバーが集い地元に和太鼓チーム「彦根古城太鼓」が結成され、そこに所属しました。これが僕の和太鼓人生の始まりです。
和太鼓に触れる度にその魅力にはまり、プロを目指したいと思うようになりました。母は「和太鼓で食べていきたいなら、東京に出て勝負しなさい」と背中を推してくれました。
そして、公演を届けてくれたプロの和太鼓奏者が所属している会社「太鼓センター」に所属し、東京に出てきて本格的に和太鼓の道を歩み始めます。
グループで売り出そうとメンバーを探しているところ、他のグループで演奏している古里祐一郎を見つけて、弟と三人で無限が結成されます。そして今に至ります。
*古里祐一郎
神奈川県川崎市出身。9歳で和太鼓を習い始めました。
始めたキッカケは小学校の先生が和太鼓サークルに所属しており、そこに誘われました。
最初は乗り気ではなかったのですが、当時ゲームばかりやっていた僕にお母さんが、「和太鼓を始めて、身体を動かしなさい!」と一言。それで始めました。
幼い感覚でしたが、全身に響いて楽しいと思ったのだと思います。
高校時代はバンドも組んでました。しかし、生の音で一番大きな音が出る和太鼓の魅力から離れることが出来ませんでした。
その時、花原京正さんに誘われて『無限』に入りました。
そして大学に通いながら、太鼓センターに所属し、講師としてレッスンを受け持ち、大学に行ってからもずっと和太鼓を続け、今では仕事となり20年になります。和太鼓最高!
*篠原伍慧
福岡県糸島市出身。
母親の勧めで地元の太鼓のジュニアチームに入ったのが太鼓を始めたきっかけ。
中学や高校では、部活に入ったり、バンドを組んでいたりもしました。
そんな中で太鼓を続けてきて、18歳の時に東京へ出たい!と思いました。
その時にTAIKO-LABの存在を知り、そこで講師をやるというのがきっかけで上京しました。
上京後は半年も経たず、コロナ渦になってしまい、大変な思いもしましたが、色んな方に支えられて今現在も東京で頑張れています。
そしてコロナ渦が明け始めた頃、「無限に入らないか?」と京正さんにお声がけいただき、新メンバーとして加入しました。
<今の現状>
まずは自分たちで曲を作るところから始めて、自分たちで企画をしてライブをやっていました。
やっていく中で少しづつ力をつけ、イベントや様々な催し物にも呼ばれるようになり露出が増えていきました。国内にとどまらず海外での演奏活動や有名アーティストの公演サポートなど活躍の場を広げていく中で、コロナになり仕事が突然無くなりました。
このタイミングでそれぞれが今後の事を悩み考え、弟は一度活動をお休みすることに決めました。
そんな中、無限に入りたいと憧れを抱く若手奏者の声も届いてきておりました。
「無限の活動が若者の憧れになっていたんだ」と気付かされ、新たな高みを目指すため、高木啓輔と篠原伍慧を加えて、新体制となりました。
今の時代にあった新たな可能性を模索しながら活動をしていきます。
<これからの夢>
今、ようやくコロナが開けて戻ってきましたが、まだまだ盛り上がりは弱いです。
和太鼓は日本の伝統楽器ではあるもののまだまだ狭い世界です。世の中に和太鼓の楽曲が当たり前のように流れ、若い子たちが、和太鼓の道を目指したいと思えるようにしたい。和の魅力を一般層にもっと伝えていきたいです。
伝統を守りながら、新しいものを追求していきたいです。
<音楽を目指す人へのメッセージ>
*花原京正
僕がそうだったように、年齢とか、環境とかは全く関係ないです。音大や専門学校に行っていなくても、想いさえあれば、いつでも始められます。
言葉にして伝える事が苦手でも、音楽だから伝えられる事があります。
そんな自分の音楽で人を勇気づけたり励ましたりする事ができます。
もし、少しでも想いがあれば、一度チャレンジしてみてほしいと思います。
*古里祐一郎
音楽だけに限らず「好きな事をする」のが生きている中で一番大事だと思っています。
「太鼓で飯を食うんだ」というのは、生半可な覚悟では出来ませんが、素敵な事だと思います。
音楽をしたかったら、好きだったら、プロになってもいいし、別の仕事をしながらでもやっても、何でもいいと思っています。
ただその時に「自己満足」には、ならないように。というのを心がけています。
共感してくれる人、応援してくれる人が1人でも居たら、それは音楽であり、やる価値が生まれるかと思います。
どんな年齢からでも始められる音楽は無限の可能性を秘めています!一緒に音楽しましょう!
*篠原伍慧
何かを始めたり、きっかけを起こすのにはパワーや覚悟がいる事かと思います。
僕も上京時、そして上京後のコロナ渦はそうでした。
ですが、石を転がすのも最初が一番大変なように、一度回りはじめたら後は決めた事を頑張っていくのみです。
なので是非、やりたい事のきっかけとなる最初の一歩を踏み出してほしいなと思います。
(2024年10月取材)