高田悦子(音楽療法士)


第14回 高田 悦子(音楽療法士)

音楽のもつチカラを感じ、突然音楽療法士になることを思い立ち勉強。
現在、高齢者施設や障害児施設において、音楽療法を実施しています。
なつかしのあの歌を皆さんと一緒に歌うことの喜び、子どもたちの輝くような笑顔を引き出せた瞬間の喜びを日々、感じています。

【日本音楽療法学会(所属団体)】
http://www.jmta.jp/

【アダージョ音楽療法室】
WEBサイト
http://ekko1958.wixsite.com/adagiomtr

2023年7月4日渋谷クロスFM『音楽マンションプレゼンツ Life with Music』出演映像アーカイブ

1.どうして音楽療法士になったか?
小さい頃からピアノを習っていて、ピアノを弾くことは大好きでした。
ただ、親に「ピアニストになれ」って和声だ、ソルフェージュだと先生を四人ぐらいつけられて、進路も決められて。「何かちがう」と途中でいやになってしまって、結局、大学では社会学を専攻しました。
でも、音楽からは離れずに、バンド活動やお店で演奏をしたりしていました。
夫はキーボードを弾きますが、高校のときのバンドのメンバーなんですよ。

「高田家はピアノ必修なの」と、私たち夫婦が音楽を楽しむ環境に育った3人の子供たちも、それぞれ音楽をやるようになりました。長男とそのお嫁さんはサキソフォニストとして活躍しており、長女はパーカッションを演奏します。

二女が中学2年生のときに不登校になり、親子で苦しんだ時期もあったのですが、二人でライブに行くなど、音楽の力に助けられて乗り越えることができました。通信制の東海大学望星高校在学中に『東海大学に進学すると音楽療法士への道が開ける』ことを知った娘は「音楽療法士になりたい!」と大学進学を決めたのです。

二女が大学に入学し、音楽療法の現場を知るようになった4年前、
「お母さんなら、できるんじゃない?」と勧められたのが音楽療法士を目指したきっかけです。
自称酔いどれピアノ弾きの私は、みんなの歌の伴奏をするのが大好きで、二女はその姿をよく見ていましたし、私も家族も揃って音楽に人を癒すチカラを感じていたのです。

亡くなった父の事業を継いだものの、経営がうまくいかずにそれを手放したばかりのときでしたので、「これが本当にやりたがったことだ」と実感した私は勉強をスタートいたしました。

おかげさまで、娘は大学で、私は認定資格取得の必修講習会で勉強をして、今年の三月に同時に「日本音楽療法学会認定音楽療法士」の資格を取得することができました。

2.今はどんな活動をしていますか?
高齢者のデイケア施設や、発達障がいのお子さんの就学前支援施設などでのグループセッションを主にやっていますが、自宅や対象の方のお宅に伺っての個人セッションもお受けしています。

3.音楽療法の道へ行きたい方へのメッセージ
音楽療法士は、演奏家とは違います。
セッションをするお相手の方がどんな音楽を欲していらっしゃるか、どんな音をもっていらっしゃるか、どんな思いを音楽で共有できるか、どんな音を使ったらその方の生きる力をお手伝いすることができるかを探りながら、セッションをさせていただいています。
楽器の演奏が上手であるとか、絶対音感があるとか、そういうことではなく、人と向き合える自分力が一番必要だと思います。

音楽療法とは、音楽の持つ特性を利用して目的を持って行う療法です。
例えば、発達障害のお子さんと、音の高さやテンポ、リズム、音色を使って音で対話をすることで、小さな「できた」を積み重ねていくことができます。アイコンタクトができるようになり、順番に演奏する「待つ」力がついてきます。表現を楽しんで、周囲のお友達からも認められてとても嬉しそうな場面を見ると、私も感動をもらえます。

音楽療法は代替医療なので、対象の方に対して責任が発生します。
今はまだ、日本では国家資格ではありませんが、海外では理学療法士や作業療法士と並んで国家資格かそれに準じる資格となっている国もあります。
通信で学べる、とか、講習を受ければ資格がとれる、などという勉強法もあるようですが、日本音楽療法学会の認定を受けられることをおすすめします。

(2017年4月取材)

2023年7月4日渋谷クロスFM『音楽マンションプレゼンツ Life with Music』出演映像アーカイブ


 

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