国立音楽大学音楽学部声楽学科卒業。
神奈川県立特別支援学校に教諭として18年間勤務。障害児教育に携わりながら、知的障害の生徒達とともに教員生活を送る。
職務中の頭部の怪我が元で退職。10年余り後遺症に悩まされる。それまで日々の生活に追われ、自分と向き合うこともなかったが、「自分を生きる」ことを考え始める。声帯があり、声が出ることに感謝できた時、ようやく自分の中に小さな光を見出すことができた。森羅万象の動き(揺れる森の木漏れ日、鳥の歌声、風や水の流れる音……)から、音楽が生まれ出てくることを再認識する。自分の足で大地を踏みしめる喜び、生きている揺るぎない喜びを歌に託したいと思うようになる。
2011年より演奏活動を始める。牧野正人、山中信、宗像成弥各氏に師事。
聴いて下さる方に、「これからも輝き続けてほしい」というメッセージを伝えている。
「幸せになるための音楽教室」主宰。
2021年9月21日渋谷クロスFM『音楽マンションプレゼンツ Life with Music』出演映像アーカイブ
音楽を始めたきっかけ
幼少時、祖母が「孫に音楽を学ばせたい。楽しみにしている」と言ってピアノを購入してくれました。
その言葉がなければ、今の私はいなかったと思います。
5歳からピアノを始めましたが、祖母が入院、母は看病で忙しく、下校後の私の仕事は、夕食の買い物や炊飯、薄暗くなる家の中で一人、母の帰りを待っておりました。
ピアノのレッスンも一人で通っていたようです。
練習もせずレッスンに行き、泣いてばかりいたのを思い出します。
それでも音楽が大好きでした。
中学入学後、母が祖母の言葉通り、「私を音大へ」と決断し、新しいピアノの先生を訪ね、
基礎からの練習が始まりました。
そこで声楽を勧められたのです。
音大卒業時、神奈川県教員採用試験に合格、養護学校に配属されました。
そこで、新しい世界を知りました。
音楽だけでなく、全教科を教えるのです。
「職業」という科目では、農業、窯業(焼き物)、縫製、紙すき、木工、織物、皮工など様々な専門外の授業を体験しました。
就職して15年目に、怪我を頭部に負い、退職しました。
立っていることもできなくなり10年余り後遺症に悩まされました。
寝床から、窓の外の雲が流れるのをずっと眺めて過ごすうちに「もう一度、歌を始めたい!
このままでは終われない!」と強く思うようになりました。
『いつか、コンサートを実施する』
『音楽教室を始める』
という二つの目標を掲げました。
「演奏することの喜びとともに生きたい」と思い、ご縁をいただき、夢の一つであるコン
サートを開催することができました。
2011年の「チャリティーコンサート」から、演奏活動を行っております。
言葉で表現できないことを、音に託して伝えるのが音楽、それは心の奥に入り、人間の原
点につながるものであると思っています。
現在の活動
演奏活動
“Gift of Love”コンサート。
「音楽から伝わる愛のエールを、ご自身にたくさん贈ってほしい!!」そんな想いを込めた
愛のギフトコンサートです。
皆さんは、お一人おひとり違う人生を歩まれ、喜びを胸に、様々なことを乗り越えてい
らっしゃいます。
持たれる感情もお一人ずつ異なります。
私は、私の歌を通して、「皆様がご自身に、喜び、生きる力、エネルギー、ご自分の愛を
プレゼントしてほしい」と思っています。
昨年、文化庁の支援金を得て、YouTubeを作成いたしました。
ホームページの”Gift of Love”コンサートのページで配信しております。
https://www.youtube.com/channel/UCilRnNE3KJZDzgbRKb3g34w
音楽教室
小さいお子様からご高齢の方、そして障がいをお持ちの方のレッスンをさせていただいており、感謝の日々です。
昨日、嬉しいニュースが届きました。
盲目の生徒さん(9歳)が国際音楽コンクール(United Stars Competition)で奨励賞(Honorable Mention)に続き、特別賞(Special Award Winner)をも受賞することが出来ました。
*今後の予定
コロナ終息後に、リサイタルを実施できるよう準備したいと思っております。
私のために作詞・作曲していただいた音楽物語『黄金の翼にのって』の全曲もご披露させていただきたいと思っています。
短期目標は、30年後も歌っていられること。
長期目標は、『神様に仕える音楽隊の一員』になりたいということ。
道のりははるか遠く、これからも目標を叶えるため、恥ずかしくない生き方をしなければならないと日々思っております。
*音楽を目指す方へのメッセージ
まずは、音楽に携わることが出来ている「選ばれし者であるという幸せ」をたくさん感じてください。
辛いこともたくさんあると思いますが、選ばれし者であるからこそと、自信を持って、演奏なさってください。
そのことにより、あなたの輝きが表現されると思います。
また、「音楽はみんなのもの」で、レッスンを受けていらっしゃる方々もまた、選ばれし方たちです。
一喜一憂しながら音楽に取り組む日々は、素晴らしいものです。
私も、生涯を通して音楽と共に生き、人として成長できたらと思っております。
(2021年7月取材)