作詞家 作家
洗足学園音楽大学客員教授
淑徳大学人文学部表現学科客員教授
日本語検定委員会審議員
東京生まれ。成城大学文芸学部英文学科卒業。広告代理店勤務の後、1984年作詞家デビュー。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、安倍なつみ、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。東宝ミュージカル『RENT』の全訳詞を担当。1990年小説『さよなら』(マガジンハウス)を出版。エッセイストとしても幅広く活動し、著書に『読むだけでたくさん「奇跡」が起きる本』『ひとり、思いきり泣ける言葉』(三笠書房)『あなたの毎日が「幸せ」でいっぱいになる本』(PHP研究所)『みんなつながっているージュピターが教えてくれたこと』(小学館)『こころ歳時記』(ディスカバー21)『自分の言葉を持つ人になる』(サンマーク出版)『年を重ねるほど美しく幸せになっていく女性の理由』(大和書房)『大人の結婚』(水王舎)「自分という物語を生きる」(水王舎)など著書多数。最新刊は『40代 泣きたい日の頑張り方』(三笠書房)。最新刊『エレガントな終活』(大和書房)。
また『吉元由美のライフアーティスト・アカデミー』を主宰。「Tough & Beautiful 魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、言葉と心と感性を磨くサロンセミナー、言の葉塾、ソングライティング・クラスを展開している。
吉元由美オフィシャルホームページ
http://www.yoshimotoyumi.com
吉元由美オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/yylifeartist
1.音楽を始められたきっかけ
小学生の頃、バレエが大好きでよく母に観に連れて行ってもらいました。家にあったクラシック全集でバレエ音楽を毎日聞いていたのが、音楽との出会いでした。
お小遣いで最初に買ったレコードは、チャイコフスキーの『ピアノ協奏曲第一番』です。
十代になってからは、いろいろなジャンルの音楽を聴きました。特に荒井由実(ユーミン)は新しい音楽……特に歌詞の世界に目を向ける大きなきっかけだったと思います。
クリエイティブなことに関して特出した才能があったわけではありませんが、創造的な仕事をしたい、その現場にいたいと思い、広告代理店に就職しました。配属されたのがレコード会社の広告を担当する営業部で、ご縁があり作詞家になることを勧められました。クリエイターではなくデスクの仕事をしていたのですが、自分の才能で生きていく道をひらきたく、そう声をかけられた翌日から猛勉強をはじめました。自分でノルマを決め、会社から帰ると、2時くらいまで勉強していました。
歌詞を写経のように書き写したり、想像力を広げるワーク、実際に曲に言葉をはめることなど、感性を広げ、書く力をつけるための勉強です。2年後、あるプロダクションのプロデューサーを紹介され、アイドルのアルバムに2曲歌詞を書くことが決まりました。24歳の時です。
作詞家デビューをした80年代半ば頃から、バブル期、アイドル全盛期もあり楽曲の制作数がものすごく多く、ほぼ毎日歌詞を書いていたような記憶があります。その忙しさが、仕事をする体力気力を鍛えてくれたような気がします。
2.平原綾香さんの『Jupiter』について
『Jupiter』は、ホルストの『惑星』の中の『木星』の一部をあのような形にアレンジした楽曲です。平原綾香さんが高校の時に『木星』を聴き、インスパイアされたのがデビューの曲に選ばれたきっかけです。
平原綾香さんの声をデモテープで聞いた時のインスピレーションは
①この人の声は、天と地をつなぐ声である。
②だとしたら、天と地をつなぐ歌を作ればいい。
ということ。そして、前に行ったアメリカのセドナで見た、地平線に突き刺すように光った稲光を思い出しました。天と地をつなぐエネルギー。そんな歌にすればいいのだと思ったのです。
3.これからの活動
これからも歌やエッセイなど、言葉を通して発信し続けていきます。これは、私がどのように成長していくのか、その証となるものです。また活動のひとつである『ライフアーティスト・アカデミー』を通して、大学での教えを通して、自分の言葉や感性を広げ、創造的な生き方をする人を応援したいと思います。
私は、最終的には、詩人でいたいです。
そこにどうやって向かっていくかをこれから考えていきます。
また、直接伝えていく講演などの機会も増やしていきたいと思っています。
講演も大学の授業も『LIVE』です。二度と同じものは出来ないということにスリルがあり、わくわく感があり、私のチャレンジのひとつです。
4.音楽を目指す方々へ
とにかく、「想像力の翼を広げて、深く考える」こと。
自分の事だけでなく、世の中に起こっていること。
「なぜ、これが起こっているのか?」と考えること。
目をあげていくと、見えてくるものがあります。
そして、人生を創造的に捉えて、人生のアーティストであること。
音楽といっても、色々な仕事あります。
演奏家だけではないはずです。
音楽だけではなく、考えていけば、今、この世界にはない新しい仕事を生み出せると思っています。
考えて、物事を深めていく力をつけることで、インスピレーションをキャッチできるようになるのです。
自分の内なる声をきく癖をつけるのです。
そして、コミュニケーション力をつけること。
多くの人と美しくつながっていくことで、活動の幅も広がり、才能を発揮する場が広がってきます。そして何よりも、美しいつながりの先には、それぞれの世界を思いきり表現できる場があり、聴衆がいるのです。
(2019年7月取材)