築城玲子(フラウト・トラヴェルソ)

築城玲子(ついきれいこ)フラウト・トラヴェルソ

桐朋学園大学音楽学部器楽科(フルート専攻)入学後、古楽器科(トラヴェルソ専攻)に転科。同学部を卒業後、同大学研究科を修了。ルネサンス、バロック時代から近・現代に至るまでの各時代のフルート、及び演奏理論を有田正広氏に師事。また、M.Hantaï、B. Csalog、Ch.Zebley各氏のレッスンを受講。

大学卒業時に古楽科成績最優秀者に与えられる「鍋島元子奨学金」を授与される。
大学卒業演奏会、読売新人演奏会に出演。2002年~2004年にかけて、日本各地で有田正広氏と、ルネサンス、バロックから現代までの各時代の楽器を使用しての二重奏で共演し好評を博す。2006年「北とぴあ国際音楽祭」参加公演にて、7種の時代楽器を用いたソロ・リサイタルを開催。

オランダのデン・ハーグ王立音楽院にてトラヴェルソをB.Kuijken氏に師事し、同大学院修士課程を修了。これまでにバッハ・コレギウム・ジャパン(鈴木雅明指揮)、レ・ボレアード(寺神戸亮指揮)、The Wallfisch Band(G.レオンハルト指揮)などのプロジェクトに参加。

現在はオランダのデン・ハーグに在住。The Bach Choir & Orchestra of the Netherlandsなどのオーケストラへ参加のほか、2006年よりトラヴェルソ奏者Katja Pitelinaと、様々な時代楽器を用いたフルート・デュオ「DuoKaleidoscope」を結成し、室内楽の活動にも取り組んでいる。2019年にはフレンチ・バロックのフルート二重奏を集めたCD “French Baroque Flute Duos”をリリースし、オランダ
の音楽雑誌Luisterにて高評価を得る。
演奏動画はこちら。www.duokaleidoscope.com

2020年9月、イタリア・リミニとモナコ・モンテカルロにてチェチリア・バルトリのリサイタル公演に参加。オーケストラMusicians of the Prince of Monaco (Gianluca Capuano指揮)の一員として、ヘンデルのアリア “Augelletti, che cantate”でソロ・ピッコロ・オブリガートを演奏。
2022年秋には、東京、京都、岡山、神戸にて『フルートの歴史・お話つきコンサート』と題したソロ・リサイタルを開催。モダン、ロマンティック、クラシカル、バロック、ルネサンスなどの7種類の楽器で武満徹からヤコブ・ファン・エイクの作品までを演奏する。

2023年8月、ポーランド・ワルシャワにて「Chopin and his Europeフェスティヴァル」に参加。
2005年8月、ブルージュ国際古楽コンクール3位受賞(トラヴェルソ最高位)。
2007年度文化庁在外研修員。2009年3月、国際テレマン・コンクールにおいてベーレンライター賞受賞。

猫アレルギーだが、実家のサイベリアン・フォレスト・キャット(享年17歳)を含む多くの猫を溺愛してやまない。あちこちの美味しいものを食べるの大好き。

<音楽を始めたきっかけ>

私の両親は音楽家ではありませんが、音楽は大好きだったので小さい頃からいろいろなコンサートやバレエなどによく連れて行ってもらっており、私もとても楽しそうに聴いたり観たりしていたそうです。また母はリコーダーを趣味で習ったこともあり、ピアノを学んだ叔母の家にはチェンバロもあったので、音楽は楽しいものだという気持ちは幼い頃からあったのかもしれません。小学校に入り趣味でバレエを習いましたが、その時に舞台の上で表現することの面白さを学びました。
フルートとの出会いは小学校の終わり頃に、新しい音楽の先生がフルートをブラスバンドのために持っていらした時でした。なぜかとても興味を惹かれて、先生にお願いして楽器を見せていただき、自分でも試してみることができました。音が出るのに数日かかったのですが、一度音が出るようになると夢中になってしまい、中学受験を終えたらレッスンを始めました。
中学に入ってみると、幸運なことにその年度から新しく、放課後に楽器を習える器楽科(クラブのようなもの)が設立され、フルートやクラリネット、ホルンなどを音大生の方々がレッスンに来て下さいました。
そこで出会った先生の音があまりに美しくて、学校でのグループレッスンのほかにプライベートでのレッスンもお願いして、習うことができるようになりました。
そのまま趣味のつもりで楽しく吹いていましたが、中学終わり頃に先生が音大受験のお話を下さった時に考えてみて、どうしてもフルートをもっと吹きたいと思ったので桐朋学園大学へ進学しました。

<トラヴェルソとの出会い>

昔から何故か金属ではなく木で出来たフルートが吹いてみたいと漠然と思っていましたが、大学での古楽実習の授業の中でトラヴェルソ奏者の有田正広先生が実際に楽器を演奏されたのを聴いて衝撃を受け、どうしてもこの楽器を学びたいと思い転科しました。

その後はルネサンス時代から20世紀までのそれぞれの時代のフルートやその演奏理論などを有田先生に師事し、桐朋学園大学を卒業したあとはオランダのデン・ハーグ王立音楽院に留学し、バルトルド・クイケン氏のクラスで修士課程を修了しました。
そのクラスで出会った仲良しの同僚と、ヒストリカル・フルートの二重奏を組んでDuoKaleidoscopeとして現在まで活動を続けています。

上にあげました二重奏のほかには、プライベートでのフルートとトラヴェルソのレッスンに加えて、フリーランスとしてオランダ、イタリア、ポーランド、ドイツなどのオーケストラに参加しています。これまでにバッハ・コレギウム・ジャパン(鈴木雅明指揮)、レ・ボレアード(寺神戸亮指揮)、The Wallfisch Band(G.レオンハルト指揮)、Musicians of the Prince of Monaco(G. カプアーノ指揮)、{OH!} Orkiestra、The Bach Choir and Orchestra of the Netherlandsのプロジェクトで演奏致しました。

<現在の活動>

現在はオランダのデン・ハーグ在住。2023年秋には日本にてトラヴェルソの演奏会を幾つ
か致します。10月1日には岡山・蔭凉寺にて、チェンバロの小川園加さんとバッハのフルート・ソナタを中心としたプログラムを演奏します。
10月14日には目黒線・洗足駅目の前のプリモ芸術工房にて、G. Ph. テレマンの『無伴奏フルートのための12のファンタジア』を15時からと19時からの2回公演があります。この演奏会のお問い合わせはオフィスマキナ(info@office-makina.comもしくは電話・FAX03-3491-9061)まで。バッハやテレマンが活躍していた18世紀当時、『フルート』と言えば現代の金属製の楽器ではなく木製でキィが1つ付いている『トラヴェルソ』を指していました。作品が書かれた当時のフルートの音をぜひ聴きにいらして下さいね。

<音楽を目指す人へのメッセージ>

何事にも共通することではありますが、好きであること、音楽を心から愛することが大切だと思っています。常にひとつひとつの音を創り出す瞬間ごとに最大限の集中をすること、そして聴いて下さる方々の心に触れて動かすことができる演奏を目指したいと思っています

(2023年9月取材)


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