小倉貴久子(フォルテピアノ)

小倉貴久子(フォルテピアノ)
東京藝術大学を経て同大学大学院ピアノ科修了。アムステルダム音楽院首席卒業。ブルージュ国際古楽コンクール、アンサンブル部門及びフォルテピアノ部門で第1位。文化庁芸術祭大賞、JXTG音楽賞など受賞歴多数。東京藝術大学講師。CD録音は40タイトル以上。シリーズ「小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》」など次々と打ち出される企画から目が離せない、唯一無二のピアニスト。
https://www.mdf-ks.com/

1.音楽を始めたきっかけ

アマチュアでピアノを弾く母の手ほどきで始めました。よく最初の段階で、右手と左手が別々の動きをするのに慣れるのが大変、とか聞きますが、私の場合は物心がついたときにはすでにピアノを弾いていて、ハイハイから歩き出したことを覚えていないのと同じように、いつのまにか両手で自由に弾いていたという感じでした。幼少期はテレビの人気番組のテーマ曲を耳コピしてピアノで弾いて友だちを喜ばせるのが楽しみでした。とにかくピアノを弾くのが大好きで、そしてみんなに聴いてもらって楽しんでもらうのが好きだったので、ピアニストになりたいという夢は小学低学年のときに、すでに芽生えていました。発表会にも友だちがたくさん来てくれて、嬉しくって本番前に興奮してロビーを駆け回って汗びっしょりになり、母が慌てて捕まえに来てそのままステージにあがったりするお転婆娘でした(笑)。

東京藝術大学ピアノ科を卒業して大学院在学中に留学したオランダで、運命の出会いがありました。ピリオド楽器と呼ばれる、作曲家が演奏していた当時の楽器によるコンサートに行き、目から鱗の落ちるような大きなショックを受けたのです。私が今まで弾いていたピアノは20世紀になってからの楽器で、作曲家が弾いたり聴いたりしていた音はこういう音だったのか!そして、その演奏スタイルもなんて生き生きとしているのだろう、と。この素晴らしい世界はどうなっているのだろう?とその魅力にはまってしまい、興味津々で夢中になっているうちに現在の活動へと結びついて行ったのです。

作曲家がどんな思いを曲に託したのか。当時のピアノと対峙していると、たくさんのヒントを得ることができます。推理小説をひもとくように、作品の新たな(きっと作曲家は知っていた)魅力を音にしてゆく、というワクワクするような経験をいつもしています。

2.今後の予定

ショパンが弾いていた、愛奏していたプレイエルやエラールといった当時のパリの楽器で弾くと、作曲家からじかにレッスンを受けているような気持ちになります。19世紀のフォルテピアノは、今のピアノのように高い張力で張られた鋼鉄弦を鋳型フレームで支える、というような強固なつくりにはなっていなくて、ボディは鉄で補強はされているものの、弦の張力はずっと弱く、アクションも現代のピアノとは異なります。圧倒するような音量は出ませんが、心の機微やちょっとした移ろい、儚さや脆さといった、誰しもがもつ心の繊細な動きを表現するのに適しています。

北とぴあではシリーズ【小倉貴久子と巡るクラシックの旅】を開催しています。昨年はモーツァルトのお誕生日(1月27日)にモーツァルトのピアノ協奏曲を中心とした演奏会をしましたが、今年はショパンのお誕生日(3月1日)にさくらホールで《ショパンの愛したピアノたち〜ショパンをとりまくパリのサロン音楽〜》という演奏会を催します。(※7月8日に延期となりました)

ポーランドでショパンが親しんでいたウィーン式アクションのフォルテピアノ、前出のプレイエルとエラールのピアノを運び込んでの演奏会になります。ショパンのピアノ協奏曲の室内楽版や、ショパンと同時代にパリのサロンを賑わせていた、リスト、カルクブレンナー、フンメル、フィールドの魅惑的なピアノソロ作品を演奏します。ぜひ、生の音でショパン時代のピアノの音を体感していただき、ショパンの時代のパリに旅するような感覚でお楽しみいただきたいと願っています。
https://www.mdf-ks.com/concerts/2020-3-1/

3.音楽を目指す人へのメッセージ

21世紀の今、体系化されたクラシック音楽の教育システムの中で、窮屈な思いをしている学生さんやお子さんもいるかもしれません。音楽が好きで始めたのに、コンクールをめざして頭角を表すことが目標になり、なんのために音楽をしているのか分からなくなってしまうことはとても悲しいことです。いつも初心を失わず、夢や憧れを音楽に持ち続けることは何よりも大切なことですね。演奏ができる、もうそれだけで十分幸せなことだと思います。でも、もっと素敵な演奏がしたい、作曲家の想いに近づきたい、そういう欲求が出てきた時、演奏も自ずと光輝いてくると信じています。

お知らせ

※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、当社が協賛する上記の公演は7/8に延期となりました。何卒ご了承ください。

コンサート情報の詳細やチケットの払戻しは下記の文化振興財団のページよりご確認ください。
https://kitabunka.or.jp/event/3849/

<振替公演>
・日時 2020/7/8(水) 19:00開演(18:30開場)
・会場 北とぴあ さくらホール(東京都北区王子1-11-1)
・出演 小倉貴久子(フォルテピアノ)、若松夏美/原田 陽(ヴァイオリン)、
成田 寛(ヴィオラ)、島根朋史(チェロ)、西澤誠治(コントラバス)
※出演者は変更となる場合がございます。

コンサート情報の詳細やチケットの払戻しは下記の文化振興財団のページよりご確認ください。
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