吉村直美(ピアニスト)


福岡県出身。10代でドイツへ渡り、ロストック国立音楽演劇大学に留学。同大学を経て、ハンブルク国立音楽演劇大学を最優秀の成績で卒業。同大学在学中、ロータリークラブ、ブクステフーデ、シュターデの3団体により全額奨学生に選ばれる。

17歳の時に、指揮者スタニスラフ・ガヴォンスキーのもとポーランド・国立クラクフ交響楽団と共演。その後、BBCドイツ放送局を始め、北ドイツ国営放送局、ドイツ・ヴェレ・ラジオ放送局等のテレビ・ラジオ放送による演奏出演をする。ソロ並びに室内楽奏者としても、これまでに、ドイツ、フランス、ベルギー、チェコ、スウェーデン、アメリカにて活動。

“Golden Classical Music Awards” International Competition 国際コンクール第1位(アメリカ)、Global Genius Music Competition 国際コンクール金賞(イギリス)、第5回九州ピアノコンクール(現:PIARAピアノコンクール)第1位日本ピアノグレード認定協会大賞、等受賞。

スタインウェイ&サンズ・ハンブルク、ハンブルク文化庁日独国際文化交流、国境なき医師団主催・国際チャリティー文化祭等の主催公演に出演。国内では、紀尾井ホール(日墺文化協会主催)、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」音楽祭(東京丸の内エリアコンサート)、すみだトリフォニーホール(国際芸術協会主催)等のコンサートに出演する。

また、駐日ドイツ大使公邸ピアノコンサート(駐日ドイツ連邦共和国大使館主催)、各地行政機関が企画する国際交流にも貢献する。2007年より、ハンブルグ・ヨハネス・ブラームス音楽院ピアノ主科、伴奏主科にて教鞭を取る。2008年、ドイツのレコード会社アーティスト・エディション・レーベルより、ピアノソロCDを初リリース。2017年、Concert Portレーベルよりセカンド・ソロアルバム「夜の夢 静寂と情熱」をリリースし、2023年、SMSレーベルよりソロアルバム「SIGN~兆し」をリリース。

2020年12月にスタートした『音楽と旅』シリーズでの出演では、様々な音楽の旅路を展開中。

ハンブルグ・ヨハネス・ブラームス音楽院客員教授。国際ブラームス協会会員。スタインウェイ・アーティスト。

オフィシャルウェブサイト https://naomi-yoshimura.jimdo.com/

2023年8月15日渋谷クロスFM『音楽マンションプレゼンツ Life with Music』出演映像アーカイブ

<音楽を始めたきっかけ>(ピアニストになるまで)

両親は音楽が大好きでしたので、子供のころから、バッハなどのクラシック音楽が、常に家の中に流れている環境で育ちました。
朝起きるとバッハの音楽が流れている感じでした。
母は趣味でフルートを吹いていたため、いずれは親子で楽しく合奏ができればと願い、子供にピアノを習わせたいと思っていたようです。
ただ、特に音楽家に成って欲しいと思ったわけではなかったようでした。
2~3歳の頃、近くに住んでいた10歳近く上の従妹が、ピアノを習っているのを間近に見て、ピアノが弾けるようになりたいと強く思うようになり、両親にやりたいとせがみ始め、6歳の時に、ピアノを買っていただきました。
最初は、リトミックを習っていましたが、早くピアノを弾けるようになりたい思いが強く募るも、小学校3年生までは、ピアノの先生に習うことはせず、好きで弾けそうな曲をひたすら弾いていました。
その様子を見た母が、ピアノの先生を探してくれるようになり、小学校4年から、家から近くのピアノ教室で習い始めました。

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その後、地道に習い続けていましたが、舞台での演奏となると、とても緊張してしまい本領を発揮できないタイプでした。
また、音楽の道に専門的に進むための選択肢はなかったため、一旦諦めて、進学コースのある高校へ進みました。
ピアノが好きな思いは変わることなく、毎日弾き続けていたところ、その様子を見た母が、今度は、「ピアノの道に進むのは遅すぎるけど、音楽無しだと生き甲斐がなくなる子」と思ったようで、声楽を試してみることを勧めてくれ、高校2年生の頃、声楽を習い始めました。
初めは出なかった声も、先生のお陰で、ホールに響く声量が出るようになり、声楽での音大受験を勧められるようになりました。
声楽科を受験するには、入試で副科ピアノが必要だからということで、ご友人のピアノの先生を紹介してくださいました。
その時に出会った先生により、本格的にピアノを習う道が開かれることとなりました。
今まで思うように弾けなかった曲の演奏も上達するようになり、ピアノの先生は、ピアノコンクールの出場も勧めてくれるようになりました。
その頃、ピアノの道へ進むことは全く諦めていましたので、結果は全く気にしていませんでしたが、出場したコンクールで大賞1位を受賞しました。
予想外の有難い受賞、そして、審査員の先生のご評価にとても驚きましたが、偶然だったかもしれないと思い、さらには、ピアニストになっている自分の姿に自信が持てず、ひとまず、ピアノの道を目指すことはしませんでした。
ただひたすら、ピアノが楽しく弾けるようになりたい、その思いでピアノに向かい続けました。

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そのような状況が続くなか、ピアノの道を目指すことになる転機が訪れました。
それは、ヨーロッパからのオーケストラ・ポーランド国立クラクフ交響楽団との共演をいただいたことでした。
当時、師事していたピアノの先生が、門下生に海外からのオーケストラと共演する機会を提供されていたのですが、出演予定だった別の生徒さんが怪我のため急遽出られなくなったとのことで、代役出演しないかとお勧めくださったのです。
本番まで残された日数は僅かでしたが、オーケストラの壮大な音色を思うと、一緒に演奏してみたいという気持ちが強くなり、有難くお引き受けしました。
本番終了後に、当日の指揮者とお話できる機会がありましたので、今後の上達のために、演奏についての感想をお聞きしてみました。
その指揮者の方は、昔、ショパンコンクールでも指揮をされた方でしたので、感想については覚悟もしていましたが、「よい先生に学び続けることができれば、国際的に評価されるピアニストになるでしょう」と仰っていただき、そこから、ピアノの道を目指す思いへと変わりました。
共演したオーケストラの壮大な響きに感化され、海外で音楽を学んでみたいという気持ちが芽生えました。

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ちょうど、その頃、声楽の先生が身体を悪くされ、声楽のレッスンを受けることができなくなり、ショックを受けていたのですが、同じ時期に、受けていたピアノのレッスンでの待ち時間に、偶然に目にした音楽雑誌に「ドイツ留学」に関する記事を見つけました。
もし、「クラシック音楽を学ぶなら、ドイツの音楽教育で学びたい」そう思いました。
思い切ってその思いを先生にお伝えしたら、ドイツ現地に音大の先生のお知り合いがいらっしゃるということで、演奏を聴いていただけるか聞いてみてくださいました。
有り難いことに、ドイツ現地でレッスンを受けられる機会をいただき、ドイツの音大の先生に演奏を聞いていただいたところ、「もし、入学試験に受かったら、お教えしますよ」と言っていただき、そこから、受験の準備を始めました。
私は、日本の音大を出ないで入試を受ける形でしたので、音楽に関わる基礎学科は、楽典をはじめ、すべてドイツ語で受験しなければならなかったため、試験で必要なドイツ語をほぼ丸暗記し、挑む感じでした。
受験を決めてから約一年後に、お陰さまで合格し、高校卒業後に、ドイツの音楽大学に留学しました。
はじめて行ったドイツの音大は、ロストックという旧東側の港町にあり、その後、ご縁をいただき、ドイツで第二の都市とも言われる旧西側ハンブルクでの音大で勉強する機会を得ました。
ハンブルクは、ブラームスの生まれ故郷でもありますが、作曲家が過ごした地に流れる空気に触れたり風景を見る中での勉強は、大変刺激になりました。
最後の1年は、ドイツ語での論文制作とピアノの練習、そして、子供等を教えるということだけに時間を費やし、苦労もしましたが、とても実りある日々を過ごさせていただきました。
大学卒業後、その後の活動を考えたときに、すぐに帰国したい思いもありましたが、日本で師事していた先生方もお亡くなりになられたことは大きく、まずは、与えられたチャンスから、大事にしていこうと思いました。
その時に、ご縁をいただいたのが、元ドイツ・グラマフォンのプロデューサーであり、ピアニストでもあるドイツ人の方との出会いでした。
ある日、その方の代役を急遽頼まれ、ハンブルクのブラームスの生家でブラームスの作品を演奏したことで、プロとしての演奏活動をスタートするきっかけとなりました。
そして、同じブラームス繋がりの音楽院でリサイタルに出演することとなりましたが、ご好評をいただき、教育活動もスタートすることとなりました。
現地では8年間教え続けました。
また、スタインウェイ&サンズ社より、スタインウェイ・アーティストの称号をいただいたことで、スタインウェイ・ジャパン様にもお世話になっております。
ドイツでの滞在期間が長くなればなるほど、日本人としてのあり方を深く考えるようになり、今までお世話になった方々への恩返しをできればと思っていたところ、ちょうど体調を崩したこともあり、日本へ戻ってまいりました。

今の活動は

今後の、メインの活動としましては、8月19日(土)にソロリサイタルを控えております。
もう一つは、先日国際コンクールを受け、1位を受賞しまして、12月にカーネギーホールでの優勝者リサイタル出演にお声をかけていただいています。

音楽を目指す人へのメッセージ

音楽は、無限の宝の宝庫だと思います。
好きな音楽だからこそ、目標を成し遂げるのは、楽しいことばかりだけではありませんが、音楽を続けられる感謝と喜びをもって、周りの方への感謝を忘れずに、続けることが大事だと思います。
出会えるご縁を大事にして、音楽から何を感じ、何を望み、何を表現したいか?という考えを繰り返し、努力を重ねるうちに、おのずと見えてくる音楽の道があると思います。

(2023年7月取材)

2023年8月15日渋谷クロスFM『音楽マンションプレゼンツ Life with Music』出演映像アーカイブ


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