トリオ・ARROBIA
2021年にVn.松澤つばさ、Fl.鈴木茜、Pf.入江かつらの3人で結成した、公私ともに息のあったアンサンブルチーム。同年8月にミューザ・川崎にてデビューコンサートを開催。
作曲家をイニシャルで並べた「アルファベット・コンサート」シリーズをメインワークとしながら、0歳からの子供向けコンサートも企画するなど、さまざまな年代の人々に気軽にクラシック音楽を楽しんでいただくことを目指して活動中。お酒とグルメが大好きなメンバーの趣味により、「美酒・美食と巡るコンサート」も思案中。
9月7日(木)には「アルファベット・コンサートB編」、12月11日(月)には「同C・D編」を、両日日暮里サニーホールにて開催予定。
コンサート情報など、ARROBIAの日常を毎日発信中。
インスタグラム:https://www.instagram.com/arrobiamusic
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松澤つばさ
桐朋女子高等学校音楽科、
桐朋学園大学卒業、同研究科修了
在学中、日本クラッシック音楽コンクール全国大会多数入選。
ザルツブルクモーツァルテウム音楽院サマーアカデミー、イスラエルにて開催されたKeshet Eilon ヴァイオリンマスターコース他、海外セミナー多数受講。
現在はソロ、室内楽の演奏活動、文化事業普及コンサートにも深く携わりながら、0歳から楽しめる親子コンサート、楽器体験や共演型コンサート、オペラやバレエとの共演コンサートに多数出演。
また毎月、ホテルのロビーや企業パーティー、お寺コンサート、児童施設イベントに出演と、多岐に渡り活動中。
これまでに、小川みよ子、江口有香、小林健次に師事。
トリオ・ARROBIAメンバー。
入江かつら
18歳より渡独。
ドイツ フライブルク音楽大学卒業後、渡伊。在学中、学内コンサートにて、ソロ、室内楽などに多数出演し高く評価される。イタリア イモラ国際ピアノアカデミー卒業。イタリアモーツァルト協会主催のコンサート、ベローナスタインウェイ主催のコンサートなど数多くのコンサートに出演。好評を博す。
カンポキアーロ国際ピアノコンクール第1位、ジュリオ・ロスピリオーズィコンクール第1位、など多数のコンクールに入賞。
これまでに、故・林 美奈子、故・エレーナ・ラピツカヤ、ティボー・サース、レオニード・マルガリウスに師事。その他に、ヴォスクレセンスキー、ルヴィエ、パレチ二、故・マルグリス、ソリアノの指導を受ける。
2013年6月末に完全帰国後、演奏活動とともに後進の指導にあたる。
2014年6月 東京オペラシティリサイタルホールにて、リサイタル開催。(文化庁委託事業・日本演奏連盟による『新進演奏家育成プロジェクトリサイタルシリーズ』)
2014年 全日本ピアノ指導者協会ピティナ新人指導者賞受賞
音楽ホールのみならずイベントや施設などさまざまな形でソロ、室内楽での演奏活動をするとともに、ロシアンメソッドを使った脱力奏法、音の響かせ方、小さな手の弾き方のコツなどオリジナルのメソッドをさらに研究し、コンクール入賞者を出すなど指導にも力を入れている。
トリオ ARROBIAメンバー
鈴木 茜
国立音楽大学演奏学科を経て、同大学大学院修士課程および博士後期課程修了。ドイツ後期ロマン派の作曲家・S.カルク=エラートの研究で博士号(音楽)を取得。2013年DAAD奨学金を得てドイツ・ライプツィヒへ、2014年協定留学生としてドイツ・カールスルーエへ留学。第15,16回びわ湖国際フルートコンクール入選、第38回フルートデビューリサイタル出演。
これまでに大友太郎、佐久間由美子、大木淳子、レナーテ・グライス=アルミンの各氏に師事。現在、桜美林大学、国立音楽大学、ムラマツフルートレッスンセンター講師。トリオ・ARROBIAメンバー。
2023年8月1日渋谷クロスFM『音楽マンションプレゼンツ Life with Music』出演映像アーカイブ
音楽を始められたきっかけ
・鈴木茜さん(フルート)
小さいころからピアノを習っていたのですが、その時から地元の中学校の吹奏楽部に憧れていて、中学生になったらフルートをやりたいと思っていました。無事に吹奏楽部入部、そして晴れてフルートパートになることができ、部活を始めて半年後には、個人でも習い始めました。
一方で音大に行きたいという気持ちも、小学生くらいの時からありました。最初は、ピアノを習っていたこともありピアノで目指していたのですが、フルートを個人でも習い始めてからは、フルートで音大進学を決めました。
多くの人がそうであるように、音大を卒業してすぐにプロとして活動していくのは難しかったので、大学院の修士課程、博士課程と進学し、合計10年間も大学に通っていました。その間にドイツへ留学もし、勉強を続けていました。
今は、博士号の資格や留学経験を生かして、母校など2つの大学で教えながら、フリーランスでも活動しています。
・入江かつらさん(ピアノ)
母が自宅でピアノの先生をしていたので、いつもピアノの音が聞こえている環境で育ちました。5,6歳の時に、自分からピアノを習いたい!と言い弾き始めたのが最初です。自分からやりたいとは言ったものの、練習嫌いだったのでなかなか成果も出ず、それでもなんとか勉強を続けて音楽高校に進学しました。
高校2年生の時に、たまたま縁がありドイツの大学へ見学に行き、そこで素晴らしい先生に出会ったことで留学を決めました。ドイツへ行ってからようやく必死に練習するようになり、ピアノや音楽の楽しさを理解し始めたのもこの頃です。
そしてドイツの大学を卒業した後、さらなる成長を目指して今度はイタリアのイモラ音楽院へ入学しました。留学生活はドイツで6年、イタリアで4年に及びました。
日本に完全帰国後はピアノ講師として教え始めたのですが、まだ演奏できる機会はそう多くなく、数年はピアノ演奏から離れていた時期もありました。そんな時にアロッビアメンバーと出会い、音楽、アンサンブルの楽しさに目覚め、そこからまた本格的に演奏活動を再開し始め、今に至ります。
また現在は、室内楽、ソロでの演奏活動のほか、自身のピアノ教室での指導にも力を入れています。
・松澤つばささん(ヴァイオリン)
3歳でヴァイオリンを始めたのですが、両親が音楽の仕事に携わっていたわけではなかったので、いくつかのお稽古の一つとして通っていました。習っていた教室もプロを目指す人が多くいるところではなかったのですが、たまたま一緒に習っていた同じ年の子のお母様がコンクールなどにも熱心な声楽家の方で、影響を受けるようになりました。小学校3年生からコンクールを受け始め、そこでたくさんの刺激を受けていきました。
しかし中学校では運動部に入るなど、ヴァイオリンを続けながらもいろいろなことに興味を持ってチャレンジしていました。そんな中訪れた、高校進学のための進路選択。改めてどのような道に進むか?と悩むの中、やはり好きだったヴァイオリンを続け、音楽高校に行くことを決めました。
進学した附属高校は、音楽大学と同じ校舎だったこともあり、すでに周りにはプロを目指す大人がたくさんいるような環境でした。高校生ながら、プロになるために、オーケストラに入るために今どうすべきか、と早くから考えている仲間が周りに多くいたので、自然に自身もそう考えるようになっていきました。ソリストしか知らなかった幼い頃とは違い、高校、大学生活を通じてアンサンブルやオーケストラの楽しさを知り、沢山勉強もしてきました。
卒業後は、音大時代の人脈を大切にしながらも、実はその環境から離れている時期もありました。しかしやはり音楽をやめることはできず、もう一度戻りたいとオーディションなどを受けるようになりました。今は、そこで得たたくさんのご縁のもと、フリーランスとして、オーケストラ、アンサンブルなどのお仕事をしています。
グループの出会い
小さいアンサンブルで全国で演奏活動を行っているある団体に参加していたのですが、そこで何度か3人で共演することがありました。一緒に演奏するたび、公演後にアドバイスしあったり、夜遅くまで音楽談義をしたりと、徐々に意気投合していきました。お互いの演奏をリスペクトし合っていたこともあり、3人で一緒に活動したいと思うようになったのは自然な流れだったように思います。
グループは2021年春に結成し、2022年の夏にデビューコンサートを行いました。ARROBIAというグループ名は3人の下の名前をイタリア語に直し、並び変えて組み合わせた造語です。
次回のイベントとしては、9月7日に日暮里サニーホールにて「アルファベットコンサートシリーズVol.2」を開催予定です。作曲家の名前をアルファベット順に並べ、国や時代を超えてプログラム構成をしたコンサートシリーズです。第2回の今回は、「B」の作曲家がテーマです。
今後の希望や夢
昨年の夏、デビューコンサートと同時に0歳から入れる子供向けのコンサートも予定していました。しかし昨夏は新型コロナウィルスの感染者数が爆発的に増加していた時期であり、安全を考慮し、開催を断念せざるを得ませんでした。今後また、小さなお子さんやご家族が気楽に楽しめるようなコンサートを企画したいと思っています。
また、メンバー全員、音楽とお酒、美味しい食事が大好きなので、作曲家や作品にゆかりのあるワイン、その時代に食べられていた料理など、食事を楽しみながら音楽のことをより深く知ることができるような、音楽と食が結びついたコンサートを開催したいと思っています。普段クラシック音楽をあまり聴かない美食家の方にも、お酒をあまり飲まないクラシックファンの方にも、広く楽しんでいただけるような公演を作りたいと思っています。
音楽を目指す人へのメッセージ
・松澤つばささん
音楽に楽しく取り組んでいくことを最も意識してやっていただきたいなと思います。きっとみなさん自分に厳しく、コンクールにオーディションと時には限界まで追い込む事もたくさんあると思います。そんな中、辛くなったら、休むことも大切かなと感じています。音楽を心から楽しめるようになれば、大人になってからもたくさんの素敵な出会いがあると思いますよ。
・入江かつらさん
ピアニストとして一番にお伝えしたいのは、学生の頃にいろいろな楽器、いろいろな編成でたくさんアンサンブルを経験して学んでほしいということです。ピアノを学んでいるとどうしてもソロに集中しがちですが、ソロ以外にもたくさん経験をすることで視野が広がります。ソロ、室内楽、伴奏と全て勉強することで、初めて音楽の楽しさ、真意を理解でき、それによって将来の可能性が広がるのではないでしょうか。
毎日毎日練習をしなければという思いで、精神的に疲れてしまう人も多いと思うのですが、休むことも必要です。休んだり、遊んだり、恋愛したり、羽目を外したりすることによって新しいアイディアも生まれますし、その経験が全て音楽につながります。
・鈴木茜さん
音大を卒業するとき、先生から「これからどうやって辞めずに続けていくかが一番大事だ」と言われたことがずっと心に残っています。辞めるのは簡単ですし、若いころはバイトをしないとやっていけないこともあるかもしれませんが、どうやって楽器をやりつづけるか、好きでいるかを考えて、コツコツと続けることが大切だと思います。
大人になってから、素敵な出会いがあることもありますし、まずはやり続けることを一番大切にされると良いのではと思います。
(2023年8月取材)